不動産会社がいまやるべきブランディング戦略とは
2024年09月27日
しかし中小の不動産会社にお話を聞きすると・・・
まだまだうまく取り組めていない、もしくは今のやり方でこれでいいのかよくわからない。
不動産会社にとってブランディングなんて必要なのか?
そのようなお声もちょくちょくお聞きします。
今回は不動産会社にとってのブランディングについて本当に抑えるべき考え方とそのメリットについてご説明いたします。
不動産会社にとって、なぜブランディングが必要なのか?
ブランディングに取り組むべき理由として
まず不動産会社の数が年々増えているということがまず一つあります。
あなたの会社の営業エリアでも新規で独立されたり、もしくは新しいホームページを立ち上げて、不動産の新規の事業を立ち上げる会社も増えているかと思います。
令和5年の時点で公益財団法人不動産流通推進センターの統計によりますと、全国の不動産会社の数は36万件以上にのぼり
毎年約1万件弱ずつ不動産会社が増えている現状があります。
出典:「2023不動産業統計集」公益財団法人不動産流通推進センター
また、近年は新しい不動産に関わる事業、例えばリノベーションや、物件の買取専門店など様々な業態が発生しており、一般のお客様にとっては不動産に関わる商品も事業者も増えて、不動産会社選びに慎重になって、より不動産会社のことをよく知ろうとする傾向にあります。
また、SNSなどの普及によりお客様は不動産会社が発信する情報を積極的に取りに行ける環境でもあります。
そういったどんどん競合会社が増える中で、お客様を待つのでなく自分たちのことをより知ってもらうという意識でブランディングをするということがとても重要になっていると言って良いでしょう。
そもそもブランディングってどういうものなの?
ブランディングのブランドと聞くと車やアパレルの商品の高級なバッグやアクセサリーなど、とてもメジャーな商品やメーカーの大きな会社のテレビCMがイメージとしてあるでしょう。
もちろんこのような大企業の膨大なコストをかけたブランディング戦略もありますが、
中小の会社がやっても無駄?なんて思ったりしていませんか?
中小の会社にとっても実はこのブランディング戦略がとても有効と考えるべきなのです。
なぜならあなたの会社や、あなたの会社の商品あなたの会社の歴史などを知らないお客様がたくさんいて、認知度や信頼感を高めることによってまだまだ潜在的なお客様を掘り起こせるということなのです。
まだブランディングを意識した取り組みをやっていないとするならば、やれば今やっている事業や先々の広告や販売営業と全てにおいてプラスに働くことにつながります。
ただ当然のことながら大企業のようにたくさんの時間やコストやお金をかけることはできませんし、ブランディングとはそういうやり方でしかできないわけではありません。
中小の不動産会社でも取り組めるブランディング戦略を実践している不動産会社はたくさんあるのです。
不動産仲介事業における自社商品ブランディング事例
実際に不動産業において自社の商品をブランディングすることによってアップセルさせる有効な施策があります。
例えば不動産仲介業においては、いわゆる物件の情報目当てに会員登録機能を持たせた、いわゆる集客目的のサイトやリスティング広告で集客をしていくと思います。
そこでお客様の囲い込みをしていくわけですが、当然物件情報を目的としてサイトを閲覧したり会員登録をしているお客様ですので、まだまだ自分たちの購入したい物件やどんな家に住みたいかというのは明確になっていないお客様が大半であると思われます。
しかしそこはまだ決め手がないことが実はチャンスであって、まだ具体的に購入したい家のイメージが定まっておらずただ漠然と物件情報を眺めているというお客様に対して
自分たちのブランド化された建築や施工事例を詳細に伝えていくチャンスでもあるのです。
まだまだ比較検討という状態ではない中で、わかりやすく真っ先に自分たちのブランドに触れてもらい、圧倒的な優位性を獲得することができる可能性があるのです。
ブランディング成果を出すためにまず考えるべきこと
自分たちの会社や商品をブランディングしていく上で、ただやみくもに自分たちの思いや考え方だけで進めていくだけではうまくいきません。
自分たちをブランディングしていく上で、以下のような内容を調査して進めていく必要があります。
①まず認知させるエリアを確定させる
②ターゲットを設定する
③自分たちの強みを洗い出す
④ブランドのコンセプトやポリシーを明確にする
このような自分たちをより知ってもらうために自らの業務を掘り起こして、強みを明確にすることや周りの環境競合会社やお客様の状況マーケットの状況などを調査した上でブランディングを進めていく必要があります。
①お客様も競合もいる!エリアに意識を持った不動産ブランディング戦略
不動産会社のブランディングをするにあたり、エリアを意識したプランが必要になります。つまりマーケティングの概念が軸になっていることが重要です。
ブランディングと言ってもただ漠然とかっこいいだろう、綺麗だろう素敵だろうと、自分たちの思うように大風呂敷を広げたブランディングをやってしまうと、なかなか自分たちの商品とお客様が結びつかない、短期間でなかなか成果が出ないといったブランディングになってしまいかねません。
さらに不動産に関わる事業は、エリア産業でその地域のお客様の住まいや生活に深く関わる事業でもあります。そのエリアに置いて何世代にも渡って信頼を得たり認知されることをまず最優先に考えるべきでもあります。
そして競合となるあなたのライバル会社は、営業エリア外の会社ではなく、あなたの営業エリアで不動産を探したり売ろうとしたりするお客様を取り合いになるぐらいの、身近な会社がライバル会社でもあります。
そんな競合会社はお客様にどう思われているのか?どのようなブランディングをやっているのか?そういった調査も重要です
つまりブランディングにおいてもできるだけコストを抑えながら短期間で成果を出すためには、
あなたの営業エリアで他社と差別化してお客様に深く浸透し、自分たちのことをお客様に深く理解してもらうこと
それを意識しながらプランを立てていくことがとても重要になるのです。
②自分たちの強みに見合ったターゲットを設定する
不動産の事業を行っていく上で、どういった層に対してサービスを行うのか?もしくはどんな商品をどんなお客様に買っていただくのか?買っていただいたお客様にどうなっていただくのか?
こういったことは当然のことながら明確になっていると思いがちですが
様々なお客様の希望条件や様々な価格帯のお客様を対応していると何でもかんでも全てをカバーできるようなブランディングはできないかと、誤った考え方をしてしまうことがあります。
全ての層において認知させるようなブランディングは当然のことながら時間とコストがかかって、なかなか明確な成果を出すことが難しくなってします。
つまり幅広く認知させるようなブランディングではなかなか人に伝わらないボヤっとしたブランディングになってしまいがちです。
まずは自分たちの強みとお客様のニーズにマッチする層をターゲットとしたブランディングをすることで日々の業務や接客などにダイレクトに落とし込めるため、反響や売り上げに直接つながる、成果に繋がるブランディングになっていくのです。
成果が先行するブランディングでそれを体感するお客様が増えることで、さらに幅広い層で認知されるブランディングにつながるきっかけにもなるのです。
③自分たちの独自の強みや専門性を洗い出す
自分たちの強みは何であるのか?他社と差別化できるような強みは何なのか?こういったことがよく言われます。
でもそれだけではお客様に刺さるものにならず、もう少し掘り下げが必要かもしれません。
もう少し掘り下げるとお客様にとってどうなのか本当にお客様にそれが刺さっているのかということを考えてって強みを洗い出す必要があります
例えばこれまでの実績や、お客様に対するサービスの手厚さ安心感などを明確に伝えるということは一つのブランディングのパターンではありますが、その内容は実に一般的で当たり障りのない内容で、なかなかお客様に刺さらないブランディングになってしまいがちです。
1つの方法として、
細かい業務や成果に落とし込んで洗い出しをすることにより、お客様と会い対したときのお客様の言葉や、お客様の喜ばれたことに対するその原因など
を突き詰めることによって、
実はお客様がこういう風な思いや希望や不安の中で、自分たちの対応やサービスを受けて、お客様の喜ばれるきっかけになった
ということなどを落とし込むことによって、他社にはない自分たち独自のブランディングに結びつけることができるのです。
それをサービスの専門性や商品の専門性に落とし込むことができればより他社との差別化されたブランディングになるのです。
④ブランドのコンセプトを確定する
エリアを明確にしてそのエリアのお客様のニーズあった自分たちの強みを、競合他社と比較して差別化できるポイントが明確になった後は、それを目指すべきブランドのコンセプトを決めていきます
コンセプトとはブランドとしてどのような使命を果たしていくのか?
例えばこのエリアの不動産マーケットの中でどういった方々にどのような価値を与えていくのかということを端的に明確に伝えるためのものです。
コンセプトが明確になると、その言葉やストーリーやポリシーが日々の業務やお客様に対するサービスに落とし込まれ、何のためにそれを行っているのか?お客様に対してどのような価値を与えるためのサービスなのかを、自分たちの接客行動やそのサービスを受け止めていただくお客様にも理解が進み、より深く自分たちの会社のことを理解していただくことにつながっていくのです。
まとめ
近しい商品だからこそのブランディング
特に仲介業務がメインとなると取り扱う商品は業物が中心になり、競合会社どうし取り扱う物件や商品は差がつきません。事業として売り上げを上げやすいマーケットは、当然参入しやすいところになりますので、競合がたくさん増える可能性があります。
だからこそ差別化が必要でブランディングすることがとても有効になってきます。
では何で差別化するのか?
それは会社であり人であり、サービスであり
つまりたくさんの不動産会社から最終選ばれる1社になるためのブランディングなのです。ブランディングは大企業がやるものという考え方は捨ててむしろ中小企業にとって認知度と信頼感を高めでお客様に選んでもらうための強力な武器になると考えるべきなのです。